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    雑記ブログ

    Category: ●SWEET-SOUR-SWEET

    【SWEET-SOUR-SWEET】第1話/ それは伝説

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     あるリサイクルショップに、悪意はないけれど人を巻き込むおバカなフリーターと、人は良いけれど運の悪い社員がおりました。 ある時、社員は言いました。「古川さん、それ、触ると崩れるから気を付けてね」 しかしフリーターはあっという間にダンボールの山に埋もれました。「遠藤さんもっと早く言ってくださーい」 彼女は山から顔を出して言いました。「でも、先週も崩したよね」「そうでしたっけ?」「全く同じ場所だよ」「...

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    【SWEET-SOUR-SWEET】第2話/ 必然的事故

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     昨日の貴奈子の台車事件が店で話題になっていたこの日、また事故は起こった。 それは、遠藤が店頭でお客様に尋ねられた商品を探しに商品置場である倉庫へやってきた時のことだ。 棚の一番上の箱に入っているようなので、脚立を持って来て上った。 やばい、フラフラする。 しかも箱がデカいし重い。ちょうど頭の高さなので、もう一段上がって箱を取り出さずに中を覗き込もうかと思っていた。 すると急に足の下から元気な声が...

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    【SWEET-SOUR-SWEET】第3話/ 自己管理の問題 

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     リサイクルショップ『MAOH』与野川店は、1年前に同駅前に出店した。 他店にいた遠藤も、この店に販売部主任として1年前から勤務している。 オープニングスタッフとして多くのアルバイトやパートタイマーを雇用しているが、その中でも販売部所属のアルバイトの男子3人組は、遠藤にとってとても可愛い後輩のような弟のような存在だった。 現在、大学生で21歳の“ボーダー”こと柏井、20歳の“オザ”こと小沢、高校2年生17歳の“...

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    【SWEET-SOUR-SWEET】第4話/  療養中なんですけど

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    (同日 夕方 6時) 貴奈子がしょんぼりと店の在庫置場で台車の上に座っていると、前方から貴奈子の上司にあたる仕入・物流担当の片岡が歩いて来た。「おまえはいつも、堂々とサボるよな」 片岡は呆れた口調で言った。しかし、貴奈子がいつものようなハジケた反応を見せないために、少し不審そうに彼女に近づいた。 貴奈子は台車の上で膝を抱えて俯き、動かなかった。「具合でも悪いのか?」 貴奈子は黙ったまま首を横に振っ...

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    【SWEET-SOUR-SWEET】第5話/  意味不明

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     遠藤陽己は時計を見てから、3人に訊いた。「仕事帰り?」「そうだけど。あ、遠藤さんは寝てて。オレらは9時からの特番見たら帰るから」「……あ、うん」 遠藤は苦笑しながら、テレビのリモコンをテーブルの上に置いた。ゴホゴホと咳が止まらない。おもわず体を曲げ、マスクの上から口に手を当てる。 しかし3人は遠藤のことなどお構いなしで、ザッピングしながら口々に話している「最初の30分見逃したな」「やっぱ店から一番近...

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    【SWEET-SOUR-SWEET】第6話/ さらに意味不明

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     遠藤は全く話が進まないなと思いながら、答えた。「うん、遠藤だよ」『高熱出して倒れてるって聞きましたけど……』「今は大丈夫だよ、だるいけどもう起きられるから。それより、古川さん風邪は?」『あの、じゃあこれ遠藤さんのケータイですか?』「あ、うん……」 やっぱり話は曲げられる。『どうして私の番号知ってるんですか?』 なんとなくまずいな、と遠藤は目を伏せた。突然社内の人間から電話があったら嫌だよな。いやそれ...

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    【SWEET-SOUR-SWEET】第7話/  水の泡

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     遠藤の言葉に、3人は顔を見合わせた。「なんすか、それ」「ウソでしょ、間違いでしょ」「いや、たしかアツシって人と一緒に何かの番組を見に行くとか遊園地いくとか、嬉しそうに言ってたから」 それを聞いてオザは頭を抱え、小さく呟いた。「あの、バカ。自分が言った事わかってんのか」 ボーダーが溜息をついた。「オレたちの苦労が……」 コマチはというと、呆れた顔をしていた。「あーあ、もう、無理」 3人のテンションが...

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    【SWEET-SOUR-SWEET】第8話/ 奸計をめぐらす

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     貴奈子はその言葉に心臓を掴まれたかのように、目を見開いて動きを止めた。「おまえが遠藤さんのことどこまで本気なのかしらねーけど、彼女がいる男振り向かせるのに、チャラチャラしてる余裕なんてないんじゃねーの?」 オザが言う。 普段は口数の少ないボーダーですら、「これでも結構おまえと遠藤さんのコンビは好きだった。だから、付き合ったりしたらおもしれえなって思う。でもこのままじゃ無理だ」と苦い顔をして言った...

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